C++11講座15回のバックアップ(No.1)

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C++11講座15回へ行く。
- 1 (2014-03-05 (水) 21:31:09)

第15回からは、C++11で実装された簡単に利用できる機能を何個が紹介します。

最初にfinal、override指定子を紹介します。

 1: class Super final
 2: {
 3:	Super(){}
 4:	~Super(){}
 5:	virtual void func() final {}
 6:	virtual void hoge() {}
 7: };
 8:
 9: class Sub : public Super//final指定子のクラスを基本クラスに使うことが出来ない
10: {
11:	Sub();
12:	~Sub();
13:	void func(){}//同様にfinal指定子の仮想関数はオーバーライドすることが出来ない
14:
15:	virtual void hoge()override{}//オーバライドさしているか明示出来る
16: };

※このプログラムはコンパイルエラーになります。
final指定子はクラス、仮想関数に使用することができ、クラスの場合は基本クラスとして使用できなくなり、仮想関数の場合はオーバーライドすることが出来なくなります。
override指定子は、仮想関数に使用でき、その仮想関数がオーバーライドしているかを確認出来ます。
これらを使用すれば、プログラム実行前にこういった簡易なミスを減らすことが出来ます。

次にdelete指定子を紹介します。
クラスのコピーを禁止させる場合、今までは

 1: class Hoge
 2: {
 3: private:
 4:	Hoge(const Hoge& obj){}
 5:	Hoge& operator=(const Hoge& obj){}
 6:
 7: public:
 8:	Hoge(){}
 9:	~Hoge(){}
10: };

コピーコンストラクタ、代入演算子のオーバーロードをprivateにしていました。
C++11ではdelete指定子を使うことによってpublicに書いた状態で禁止出来るようになりました。

 1: class Hoge
 2: {
 3: public:
 4:	Hoge(){}
 5:	~Hoge(){}
 6:	Hoge(const Hoge& obj) = delete;//削除
 7:	Hoge& operator=(const Hoge& obj) = delete;//削除
 8: };

このように並んでコンストラクタ関係が書けるようになり、見た目で禁止されていることが分かるようになります。
※ちなみに、C++11では右辺値参照があるため、完全に禁止するにはムーブコンストラクタもdeleteする必要があります。
また、delete指定子を使うことによって、関数のオーバーロードの禁止をすることも出来ます。

 1: void func(int) = delete;
 2:
 3: void func(int n)
 4: {
 5:	return;
 6: }
 7:
 8: void func(float n)
 9: {
10:	return;
11: }
12:
13: int main()
14: {
15:	func(5);//エラー
16:
17:	func(5.5f);//OK
18:
19:	return 0;
20: }

実際に使用する場合は、テンプレートと組み合わせると思います。

 1: void func(int) = delete;
 2:
 3: template<typename T>
 4: void func(T a){}
 5:
 6: int main()
 7: {
 8:	func('a');//OK
 9:	func(1.0);//OK
10:
11:	func(1);//エラー
12:
13:	return 0;
14: }

広い定義（算術型、参照型等）で禁止の場合は<type_traits>、型での禁止ならdeleteと使い分けるといいでしょう。

次に、default指定子です。

 1: class Hoge
 2: {
 3: public:
 4:	Hoge() = default;
 5:	~Hoge() = default;
 6: };

default指定子を使用すると、各コンストラクタ及びデストラクタを自動生成したものを利用するということを明示出来ます。従来の書いていない状態と変化はありませんが、書いていないと他人が見た時に意図的なのか、書き忘れなのかが不明瞭になる可能性があります。defaultで明示的に書くことによって分かりやすい用に出来ます。

これらは書かなくても問題はない機能ですが、可読性がかなり上がるので利用するようにすると安全性の高く出来るでしょう。

以上でおまけ①を終わります。

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