C++講座1回

第１回はインスタンスについてです。

今回のソースファイル
instance.zip

クラス（データ（変数）と処理（関数）をひとまとまりにしておける機能）を定義することで
データと処理の関係が密接になります。
クラス変数のメモリを確保して使える状態にすることをインスタンス化と言います。

利点としてインスタンス毎に
・別々のデータ（変数）
・共通の関数
を持つので、複製や修正が楽になります。

クラスの定義例を挙げます

class Player{
public: // publicキーワードはカプセル化で説明する、ここではまだおまじないと思っててくれればいい

	int  m_HP;	            // メンバ変数
	void PowerUp(int HP);　	    // (a)メンバ関数宣言
	void PowerDown(int Damege){ // (b)メンバ関数インライン定義
		 m_HP -= Damege;
	}
}; // ←;忘れずに!!

// (a)メンバ関数定義（クラス名::）
void Player::PowerUp(int HP){
   m_HP += HP;
}

クラス内の変数をメンバ変数と呼びます
メンバ関数に関しては、
クラス内で宣言のみし、実装をあとで定義する方法(a)と
インライン定義で宣言と同時に処理まで書いてしまう方法(b)があります
分割コンパイルするときは(a)の書き方をします

クラスの定義は構造体の定義と同じなので
メンバ変数とメンバ関数を使うにはクラス変数をインスタンス化する必要があります

インスタンス化するには主に次の方法があります
①クラス名変数名;
②クラス名変数名[要素数];
③new クラス名(); ()省略可
④new クラス名[要素数];

Player  player;  	// ①
Player  players[5];	// ②
new Player(); 		// ③
new Player[10];  	// ④

③④は動的なメモリ確保と呼ばれ、ヒープ領域という別の領域から
インスタンス生成に必要なメモリ領域を確保します
ヒープ領域に一度確保すると（プログラムが終わっても）ずっと確保され続けるので
プログラムの終了前までには明示的に解放する必要があります
③で確保した場合、解放するにはdelete演算子を使います
④で確保した場合、解放するにはdelete[]演算子を使います

確保した領域へのアドレスが必要となるので③④は次のように使うのが一般的です

Player* player = new Player();         // ③
Player* players = new Player[10];  	// ④

// 処理

delete player;
delete[] players;

この辺がC++のめんどくさいところなのかもしれません。
C++講座6回で説明する、デストラクタを使えば、この問題を軽減できます

さらに配置newという
あらかじめ取得してあるメモリプールからインスタンス化に必要なメモリ領域を確保する方法があります。
あらかじめ確保されている領域を再割り当てするので通常のnew（③や④）より高速です。
メモリプールが解放される保証があるならばdeleteやdelete[]する必要はありません
⑤new(メモリプールアドレス) クラス名
⑥new(メモリプールアドレス) クラス名[要素数]

char Pool[1000]; // メモリプール
new(Pool) Player;                    // ⑤
new(Pool+sizeof(Player)) Player[10]; // ⑥

⑤⑥はあまり使うことはないと思うので、こんな機能あったな程度でよいと思います
ただし、使うときは、メモリプールで既に他の変数が使用している領域を再確保しないように注意する必要があります。

以下に全コード載せます。
classは純粋なC言語(.c)では使えないので注意してください
C++ソースファイル拡張子(.cpp)で(C++コンパイラで)コンパイルします
（C言語講座で習ったように作れば平気です）

// main.cpp
#include <iostream> // C++入出力ヘッダーインクルード 

class Player
{
public: // publicキーワードはカプセル化で説明する、ここではまだおまじないと思っててくれればいい

   int m_HP; // メンバ変数

   // メンバ関数の宣言
   void PowerUp(int HP);

   // メンバ関数のインライン定義
   void PowerDown(int Damege)
   {
       m_HP -= Damege;
   }
}; // セミコロン忘れずに!

// メンバ関数の実装
// クラス名::で定義する
void Player::PowerUp(int HP)
{
   m_HP += HP;
}

int main()
{
   Player  player;     // インスタンス化
   Player  players[5]; // 配列インスタンス化
   Player* pplayer; 
   pplayer = new Player(); // 動的インスタンス化(new クラス名)
   Player* pplayers; 
   pplayers = new Player[10];  // 動的配列インスタンス化(new クラス名[])

   // メンバのアクセスには( . )を使う
   player.m_HP = 100;
   printf("player HP = %d\n",player.m_HP);
   player.PowerUp(200);
   printf("player HP = %d\n",player.m_HP);
   player.PowerDown(50);
   printf("player HP = %d\n",player.m_HP);

   // ポインタの場合はメンバのアクセスにはアロー演算子( -> )を使う
   pplayer->m_HP = 50;
   printf("pplayer HP = %d\n",pplayer->m_HP);
   pplayer->PowerUp(250);
   printf("pplayer HP = %d\n",pplayer->m_HP);
   pplayer->PowerDown(25);
   printf("pplayer HP = %d\n",pplayer->m_HP);

   // 配列もいままでと同様に使える
   players[0].m_HP = 10;
   printf("players[0] HP = %d\n",players[0].m_HP);

   // インスタンスごとに個別のデータを持つ

   delete pplayer;     // newしたらdelete
   delete[] pplayers;  // newの配列場合はdelete[]

   char memorypool[1000] = {};					// メモリープール
   Player* placeplayer = new(memorypool) Player;		// メモリプールから動的インスタンス化（配置new）
   placeplayer->m_HP = 150;
   printf("placeplayer HP = %d\n",placeplayer->m_HP);
   Player* placeplayers = new(memorypool + sizeof(Player)) Player[2];// メモリプールから動的配列インスタンス化（配置new）	
   placeplayers[0].m_HP = 10;
   printf("placeplayers[0] HP = %d\n",placeplayers[0].m_HP);
   placeplayers[1].m_HP = 20;
   printf("placeplayers[1] HP = %d\n",placeplayers[1].m_HP);

   // メモリプールは自動的に解放されるので
   // placeplayerはdeleteする必要なし
   // placeplayersはdelete[]する必要なし

   return 0;
}

習得には自分で適当なクラスを定義してガンガン使ってみると良いと思います。

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